Inkscapeでプレゼンテーション

今まではLaTeX Beamerを使ってプレゼンをしていたのですが,InkscapeのJessyInkに乗り換えようと思います.
Beamerは数式を使った箇条書きメインのプレゼンをつくるには向いているのですが,
絵を貼りまくるにはコンパイルに時間が掛かったりして大変です.
どうせInkscapeで絵を描くのだから,全部Inkscapeだけでやればいいじゃないかという流れです.


まだ初心者で勉強用にまとめたものなので間違えなどが多々あると思います.
そのときはご指摘お願いします.

インストール方法

Inkscapeのインストール

sudo apt-get install inkscape

JessyInkのインストール
  • Inkscapeを起動し エクステンション->JessyInk->インストール/アップデート->適用 を順に選べばOK

スライドの作り方

基本設定

まずは ファイル->ドキュメントの設定 からページ設定.

  • 背景はわかりやすく黒が良さそう(RGBAで0,0,0,255)
  • ページサイズはプロジェクタの解像度に設定するといいと思う(1024x768, 800x600など.ベクタ画像なのでアスペクト比さえ合っていればいいかも).


マスタースライド作成

マスタースライドとは資料全体のテンプレートとなるもの.
背景やページタイトルの位置,スライド数の表示位置などを設定する.

作り方は,まずマスタースライド用のレイヤーを準備し,適当な名前をつける.(MASTERなど)
次に エクステンション->JessyInk->マスタースライド のレイヤー名に先ほどつけたレイヤー名を入力する.
後は,このレイヤーをテンプレートとなるように背景を描き,スライドタイトルを入れる位置を決め,スライド番号の位置を決める.
ページタイトルやスライド番号は適当なオブジェクトをおいておけば後で自動変換されるように設定できる.

例えば,

のように描く.

このままだと,どれがページタイトルにしたいオブジェクトなのかなどが分からないので,それをInkscapeに教えてやる.
やり方は,エクステンション->JessyInk->オートテキスト を選びダイアログを出し,
スライドタイトルにしたいオブジェクトを選び,ダイアログの「スライドタイトル」を選択し適用を押す.
「スライド数」や「スライド番号」も同様.
スライド番号に関連付けたテキストオブジェクトの方は右寄せにしておくと2桁になったとき良い感じになる.

これですべてのスライドの背景にマスタースライドが設定されます.

タイトルスライド作成

次にタイトルスライド.
通常マスタースライドをタイトルページでは使いたくないので,背景をもう一度塗りつぶす必要があります.
タイトル用のレイヤーを用意して適当に描きます.


一般スライド作成

JessyInkではマスタースライドを除くレイヤーが下から順に表示されていきます.
また,レイヤー名がスライドタイトルとなります.
マスタースライドと編集したいスライドのレイヤーを表示して作成していきましょう.


視覚効果を入れる
  • エクステンション->JessyInk->トランジション
    • スライドを移動するときの視覚効果を入れることができる.
  • エクステンション->JessyInk->エフェクト
    • オブジェクトを順に表示するようにできる.
    • サブレイヤーを使うと便利
      • ただし保存するときサブレイヤーを表示状態にする必要あり
      • サブレイヤーが独立したスライドとして表示される問題あり(解決法模索中)
    • オブジェクトをコピーしたときの挙動がよくわからない
  • エクステンション->JessyInk->ビュー
    • preziのように1つのスライドの一部を順に拡大してプレゼンをすることができる.

表示方法

FirefoxGoogle Chromeなどのブラウザを使います(IEは知らない)

  • 方向キーの←→でページ移動
  • iで全スライドを表示
  • Dで経過時間の設定
  • pでプログレスバー表示
  • tでタイマーリセット

数式が使いたい

textextを使えば可能.
linuxの場合,最新版のtextextをtextext — Random Museからダウンロードし,~/.config/inkscape/extensionsの中に展開したファイルをつっこめばインストール終わり.
pdf2svgが必要かも

メリット

  • 自由度が高い
  • svgの資源を利用できる
  • javascriptも使える

デメリット

  • 描画がブラウザ依存なので,環境によって表示が少し変わる
  • 必要なパーツは自分で用意しなければならない(矢印とかプレゼンでよく使うものがデフォルトで入っているわけではない)